道路の昔と今 / 大阪府 吹田市
吹田ジャンクションの昔と今
名神が通る田畑から、万博を経て三つの高速道路の結び目へ
吹田ジャンクションでは、名神高速道路、中国自動車道、近畿自動車道が交わります。大きく曲がる接続道路のそばには、一般道へ出入りする吹田インターチェンジもあります。今の姿だけを見ると、最初からこの形で計画された一つの施設に見えるかもしれません。
ところが古い航空写真に戻ると、先に名神が通り、周囲の田畑が変わり、その後に道路をつなぐカーブが増えていきます。1970年の日本万国博覧会も、この場所を変えた出来事でした。五つの時期の写真から、道が増える順序を追ってみます。
1964年5月
田畑と池の間を、名神が通る

白黒写真の中央を斜めに通る、幅のそろった道路が名神です。周囲には小さく区切られた田畑、まとまった樹林、池が見えます。現在のように大きな道路が横から集まる形は、まだ見当たりません。
名神の栗東〜尼崎間は、1963年7月16日に開通しました。この写真はその翌年です。名神がすでに車を通していた時期にも、吹田のこの一帯には農地の区画が広く残っていました。道路の完成と、沿道の街の変化には時間差があったことが分かります。[1]
1971年5月
万博のあと、風景が大きく変わる

七年後の写真では、名神の左右に大きな区画が広がっています。中央には輪を描くような道路ができ、右からも幅広い道路が近づいています。田畑の細かな区切りが目立った1964年とは、土地の使い方が変わりました。
前年の1970年、吹田では日本万国博覧会が開かれました。吹田市の沿革には、開催に向けて中国自動車道や名神の吹田インターチェンジなどが整備されたことが記されています。写真の変化は、会場だけでなく、そこへ人を運ぶ交通網も一緒に造られた時代のものです。[2]
1979年10月
道路を横切るだけでなく、曲がってつなぐ

1979年の写真では、左から延びる道路と斜めに通る名神の間に、曲線を描く接続道路が見えます。本線を一度見つけてから枝分かれする道を追うと、交差する場所と、乗り移る場所の違いが読み取りやすくなります。
高速道路どうしは、上と下で交差しただけでは行き来できません。別の道へ移るために設ける接続道路を「ランプ」と呼びます。名神と中国道を結ぶ部分に注目すると、1971年の写真より、道路の組み合わせが増えたことが分かります。
一方、写真に道の形が写っていることと、その日に車が通れたことは別です。ここでは1979年10月の姿として見比べ、個々のランプの開通日までは写真から判断しません。
1994年5月
接続道路の工事が、既存の道路に重なる

中央から右へ視線を移すと、横方向の道路の近くに、明るい色の帯状の工事部分が見えます。周囲にはすでに本線、カーブ、建物が並んでいます。何もない土地に道路を一本引く工事とは違い、既存の道路の間に接続路を加える段階です。
この場所の変化は、名神と中国道だけでなく、近畿道とのつながりも含めて見る必要があります。現在の案内図には、近畿道から名神・中国道へ向かう経路も描かれています。1994年の工事写真と最後の写真を比べると、中央付近を横切る道路が加わり、立体的な結び目が密になった様子が見えてきます。[3]
現在につながる姿
ジャンクションとインターチェンジが同居する

最後の写真には、斜めの名神と横方向の道路、それらを結ぶカーブが重なっています。道路の間には緑地が残り、周りには建物が密集しています。1964年の写真と比べると、道路が増えただけでなく、その外側の街も変わったことが分かります。
NEXCO西日本の案内は、この場所を「吹田JCT・IC」としてまとめています。高速道路から別の高速道路へ移る機能と、一般道へ出入りする機能が隣り合うためです。航空写真で複雑に見える線のすべてが、同じ役割を担っているわけではありません。[3]
写真をもう一度戻すなら、最初からある名神を目印にすると比べやすくなります。その周りに大きな道路が現れ、さらに接続用のカーブが増える。吹田の今の形には、街の拡大と道路網の整備が、段階を重ねて残っています。
- 場所
- 大阪府吹田市
- 交わる高速道路
- 名神高速道路/中国自動車道/近畿自動車道
- 名神の開通
- 1963年7月16日(栗東〜尼崎間)
- 街の転機
- 1970年の日本万国博覧会に向けた交通整備
- 写真で見る工事
- 1994年5月の接続道路工事
- NEXCO西日本「名神開通50周年Tシャツ(第2弾)等を販売します」(2013年4月12日):名神の初開通区間・年月日。
- 吹田市「吹田市の沿革」:万博と交通整備。
- NEXCO西日本「吹田JCT・IC」案内図(PDF):接続路線と出入口。
- 国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」、地理院タイル一覧:航空写真。位置合わせ・切り出し・縮小を実施。
