道路の昔と今 / 愛知県 名古屋市緑区

名古屋南ジャンクションの昔と今
田畑と池のそばに、湾岸・都心・環状の道が集まるまで

航空写真でたどる街と道路の変化 | 読了 約5〜6分

名古屋南ジャンクションには、伊勢湾岸自動車道、名古屋高速3号大高線、名古屋第二環状自動車道が集まっています。大きなカーブが何本も重なりますが、昔の航空写真を見ると、同じ場所には田畑と池が広がっていました。

変化の中心になるのは、2003年の名古屋高速との接続、そして2011年の名二環の開通です。完成後の写真だけでは分かりにくい、道路が増えた順番を、五枚の写真でたどっていきます。

1974〜1978年
池を目印に、昔の土地を見る

田畑や池のそばを道路が斜めに横切る1970年代の名古屋南付近
国土地理院「空中写真(1974〜1978年)」を使用。

写真の左側には、色の違う小さな農地が並んでいます。中央から右上にかけて大きな池があり、その近くを道路が斜めに通っています。画面の下側には、まとまった大きさの建物も見えます。

今のジャンクションを知っていると、高速道路の輪を先に探したくなります。しかし、この写真には現在のような接続路の集まりはありません。まず池と斜めの道路を覚えておくと、後の写真で何が変わり、何が目印として残っているかを追いやすくなります。

田畑だけの場所でも、工場だけの場所でもなく、異なる土地の使い方が隣り合っています。その間に新しい道路が加わると、農地の区画や建物との距離感も変わっていきます。道路の形と一緒に、周囲の細かな区切りにも注目してみてください。

2000年10月
広い帯状の工事が、池の南側へ延びる

池の南側で幅広い道路と接続路の建設が進む2000年の名古屋南付近
2000年10月撮影。国土地理院の空中写真を切り出し。

池の南側を横切る、幅広い帯が現れました。その周辺には、白っぽい地面や、道路が枝分かれしていく形が見えます。1970年代の写真にあった細かな農地区画の一部を、大きな道路の線が横切っています。

工事中の写真では、完成した舗装面と同じように連続して見えない部分があります。道路の端や、高架を支える構造の並びを追うと、次にどこへ延びようとしているかが分かります。この段階の写真をはさむことで、最初と最後の二枚だけでは見えない造り方を確かめられます。

ここで道路が集まる意味は、単に通り抜ける車を増やすことだけではありません。海沿いを東西に移動する経路と、名古屋の都心側へ向かう経路をつなぐ場所になることです。その接続が、次の時期に実現します。

2003年4月
名古屋高速から、伊勢湾岸道へ

幅広い本線と、北西側へ枝分かれする接続道路が見える2003年の名古屋南ジャンクション
2003年4月撮影。国土地理院の空中写真を切り出し。

2003年の写真では、幅広い道路が連続し、北西側へ延びる道との間に接続路が見えます。2000年の工事写真と比べると、白い工事部分が、車の走る道路の形に変わっています。

名古屋高速道路公社の年表によると、2003年3月23日、大高〜名古屋南JCT間が開通しました。これにより、3号大高線と伊勢湾岸自動車道が接続しています。この写真は、その翌月に撮影されたものです。[1]

豆知識 路線の延長は短くても、つながる先は大きい公社の整備記録では、大高〜名古屋南JCT間の開通延長は0.1kmとされています。これは公社の路線として計上された延長で、ジャンクション全体の大きさではありません。短い区間の開通が、別の高速道路への乗り継ぎを可能にした例です。[2]

道路の長さだけでは、開通の意味を測れません。都心から来た道が、そこで終わるのか、東西の高速道路に移れるのか。接続点ができることで、同じ道路を走る車にも、新しい行き先が生まれます。

2007年度
使われる道路のそばで、次の道が形になる

既存の道路に重なる新しい高架と曲線が見える2007年度の名古屋南ジャンクション
国土地理院「2007年度撮影の空中写真」を使用。

2007年度の写真では、中央から右上方向へ延びる明るい高架と、それにつながる曲線が目立ちます。すでに連続する道路のそばに、別の方向へ向かう構造物が加わっています。池を目印にすると、2003年より道路の占める範囲が増えたことが分かります。

この時点では、名古屋南JCT〜高針JCT間の名二環はまだ開通していません。道路の形が写真に写り始める時期と、車が通れるようになる時期は異なります。高架の形だけで「完成」と判断せず、開通記録と照らし合わせる必要があります。

名二環は、名古屋の外周部を結び、放射状に延びる幹線道路や都市高速と連絡する道路です。名古屋南では、伊勢湾岸道と都心へ向かう道に加えて、都市の外側を回る経路が加わることになりました。[3]

2011年以降
三つの役割を持つ道路が集まる

池の周囲に複数の高架とループが重なった名古屋南ジャンクション
国土地理院「全国最新写真」から作成した保存画像。2011年撮影を意味するものではなく、撮影年は未特定。

名古屋南JCT〜高針JCT間は、2011年3月20日に開通しました。NEXCO中日本の報告では、この開通で名二環が伊勢湾岸道と接続したことが説明されています。五枚目の写真には、その接続後の複雑な道路の集まりが写っています。[4]

豆知識 名二環には、以前「東名阪」だった区間もあるNEXCO中日本は、新しく造る名古屋南〜高針間だけでなく、営業中だった名古屋西JCT〜名古屋IC・高針JCT間も「名古屋第二環状自動車道」に改称すると発表しました。新しい道路名は、新設区間だけに付けられたものではありません。[3]

上空から見ると道路が何段にも重なり、一本の線を追うだけでも、別の高架に隠れる部分があります。まず東西を結ぶ伊勢湾岸道、都心へ向かう大高線、外周を回る名二環という行き先を分けて考えると、形を理解しやすくなります。

最初の写真にあった池は、最後の写真でも大きな目印です。その周りで、田畑の区画が減り、建物と道路が増えています。名古屋南の変化は、一度に現れた巨大構造物というより、接続先を増やしながら成長した道路網の記録として読むことができます。

場所
愛知県名古屋市緑区
交わる高速道路
伊勢湾岸自動車道/名古屋高速3号大高線/名古屋第二環状自動車道
名古屋高速との接続
2003年3月23日(大高〜名古屋南JCT)
名二環の開通
2011年3月20日(名古屋南JCT〜高針JCT)
写真の目印
道路のそばに残る池と、周辺の土地利用の変化

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