道路の昔と今 / 神奈川県 川崎市川崎区
川崎浮島ジャンクションの昔と今
海だった場所に陸地が広がり、湾岸線とアクアラインがつながるまで
川崎浮島ジャンクションは、首都高湾岸線、東京湾アクアライン、神奈川6号川崎線が集まる場所です。湾岸を走る道と、海の下へ潜る道が、浮島町の海側で結びついています。
古い航空写真では、後に接続道路ができる一帯に水面が広がっています。ここでは道路の建設と同時に、足元の陸地そのものの変化を見ることができます。1997年のアクアライン開通、2002年の川崎線開通をはさみ、五枚の写真を見比べます。
1979〜1983年
工場の海側に、水面が広がる

写真の左側には、大きな建物や円いタンクが並んでいます。その先は海で、現在のジャンクションに見られる細長いカーブはありません。水面には色の違う部分がありますが、それだけで水深や海底の状態までは分かりません。
後の写真と比べる際は、工場側の岸の線を目印にすると位置をつかみやすくなります。道路ができる前から陸地だった部分と、その海側へ広がった部分があり、浮島町全体がこの時期に一度に造られたわけではありません。
川崎市の記録にも、浮島町や浮島地先の埋立地が、複数の時期に市域へ編入されたことが載っています。海岸線の変化を読むときは、隣り合う土地でも造られた時期や役割が違うことを押さえておくと、写真を理解しやすくなります。[1]
1992年10月
海の中に、道路を造る場所が現れる

以前の水面に、四角く張り出した陸地が見えるようになりました。内側には明るい地面や、細長く続く工事部分があります。海側の先端にも、区切られた構造が見えます。完成後の写真とは違い、まだ道路の曲線より、土地の輪郭の方が目立ちます。
アクアラインを建設した東京湾横断道路の資料では、浮島取付部に、トンネルを掘るシールドマシンの発進基地となる立坑と、海底へ向かう斜路を設けたことが説明されています。上空から見える地上の工事は、海の下の道路を造る工事ともつながっていました。[2]
1997年6月
細長いカーブが、海辺に姿を現す

1992年には地面の区画が目立っていた場所に、長い弧を描く道路が現れました。複数の線が分かれたり寄り添ったりしながら、海側の先端へ向かいます。周辺には明るい工事部分も残り、道路の形ができていく途中であることが分かります。
湾岸線の大黒JCT〜空港中央間は、1994年12月21日に開通しています。その後、東京湾アクアラインが1997年12月18日に開通し、川崎浮島で首都高と接続しました。写真はアクアライン開通のおよそ半年前です。[3][4]
湾岸線は海岸に沿って進む道路ですが、アクアラインは湾を横断します。ここでは、海沿いに走ってきた車が方向を変え、地下へ降りていきます。大きなカーブは、地図上で交わる二本の線を、実際に乗り移れる道路にするための部分です。
2002年1月
川崎線の開通を前に、接続路がそろう

写真では、1997年よりも道路の曲線がはっきりつながって見えます。中央付近に新たな接続路が加わり、工場側へ延びる道路との関係も読み取りやすくなりました。アクアライン開通後にも、周辺の道路整備が続いていたことが分かります。
神奈川6号川崎線の川崎浮島JCT〜殿町間が開通したのは、2002年4月30日です。この写真は1月撮影なので、開通後の姿ではありません。形がそろって見える道路でも、供用前である場合があります。[3]
さらに殿町〜大師JCT間の開通は2010年10月20日でした。2002年の段階で川崎線のすべてが完成していた、と考えるのも正確ではありません。浮島側から先に開き、その後、内陸側の接続が加わった流れです。[3]
現在につながる姿
道路が見えなくなる先にも、道は続く

最後の写真には、細長いカーブと、それに接続する道路がまとまって写っています。1980年ごろの写真と比べると、水面だった場所が陸地となり、さらに道路を支える土地へ変わった様子が分かります。
一方、アクアラインの海底区間は航空写真には写りません。見えている接続道路から、そのまま海上に橋が延びるわけではないのが、このジャンクションの特徴です。浮島側の地上部と、海の下のトンネルを合わせて考えると、道路が途中で姿を消す理由が分かります。[2]
写真を古い順に見ると、まず土地の輪郭が変わり、次に太い道路ができ、さらに接続のカーブが増えています。川崎浮島の歴史は、道路の形だけでなく、海岸線と土地の使い方の変化を一緒に記録しています。
- 場所
- 神奈川県川崎市川崎区浮島町
- 集まる道路
- 首都高速湾岸線/東京湾アクアライン/神奈川6号川崎線
- アクアライン開通
- 1997年12月18日
- 川崎線の部分開通
- 2002年4月30日(川崎浮島JCT〜殿町)
- 川崎線の延伸
- 2010年10月20日(殿町〜大師JCT)
- 川崎市上下水道局「川崎市水道百年史・川崎市の変遷」:浮島周辺の埋立地の編入記録。
- 東京湾横断道路「東京湾アクアラインの建設」:浮島取付部、シールド発進基地、地盤改良と特殊な盛土。
- 首都高速道路「沿革・歴史」:湾岸線、アクアライン接続、川崎線の開通。
- NEXCO東日本「東京湾アクアライン20周年〜地域に果たした役割と整備効果」:1997年12月18日の開通。
- NEXCO東日本「海底トンネルに潜入!東京湾アクアライン裏側探検」(2018年12月3日):緊急避難通路と専用消防車。過去の見学資料であり、現在の募集案内ではありません。
- 国土地理院「地図・空中写真閲覧サービス」、地理院タイル一覧:航空写真。位置合わせ・切り出し・縮小を実施。
