道路の昔と今 / 神奈川県 海老名市

海老名JCTの昔と今
相模川を渡る東名に、南北へ伸びる圏央道が加わるまで

航空写真でたどる街と道路の変化 | 読了 約5〜6分

相模川の東岸で、東名高速と圏央道が交わる海老名JCT。航空写真では、川を横断する道と、川に沿って伸びる道を見分けると、その成り立ちを追いやすくなります。東名が先に通り、長い時間を置いて圏央道が加わる。田畑の風景から出発し、南隣の海老名南JCTとの違いも確かめながら、道路のつながりが増えていく過程を見ていきます。

1961〜1969年ごろ
川の両側に、細かな田畑が並ぶ

相模川の河原と、その両岸に広がる田畑が見える1960年代の海老名JCT付近
国土地理院「空中写真(1961〜1969年)」を使用。個別撮影年は未特定。

白黒写真の中央を、幅の広い河原が縦に貫いています。水の流れは河原の中で枝分かれし、その両側には細長い農地や集落が並びます。現在のJCTがある場所にも、道路の輪や大きな分岐は見当たりません。

川の水際は、後の写真とまったく同じ形ではありません。それでも、河原の向きと両岸の土地の並びを手がかりにすると、東名がどこを横切るようになったかを追えます。細い区画の集まりに対して、高速道路がどれほど太い線を持ち込んだかが、次の一枚で明らかになります。

この写真は1960年代の収録タイルです。東名の開通前後を含む年代幅のため、撮影年を一つに決めず、写っている道路の有無から変化を読んでいます。

1974〜1978年ごろ
東名が相模川を横断する

相模川を東西に横切る東名高速と周辺の農地が見える1970年代の航空写真
国土地理院「空中写真(1974〜1978年)」を使用。収録年代による表示。

カラー写真では、川を横切る一本の太い道路が目を引きます。東名高速です。橋の東側では道が農地の間を進み、西側では曲線を描く接続道路が見えます。川を境に別々に見えていた土地を、高速道路がひと続きに横断しています。

NEXCO中日本の年表では、東京IC〜厚木IC間の開通は1968年です。写真はその後の時代ですが、現在の海老名JCTにある南北方向の太い道路はまだありません。東名が通る風景と、圏央道へ乗り換えられる風景との間には、大きな時間差があります。[1]

豆知識 「海老名」と「海老名南」は別のJCT海老名JCTは東名と圏央道の接続点です。一方、その南にある海老名南JCTでは圏央道と新東名が接続します。名前が似ていても交わる道路が違います。NEXCO中日本の資料でも、海老名JCT〜海老名ICと、新東名の海老名南JCT〜厚木南ICは別の区間として案内されています。[2][5]

2007年度
東名の脇に、接続道路を造る

東名の相模川橋東側に建設途中の曲線道路が見える海老名JCT付近
国土地理院「2007年度撮影の空中写真」を使用。暦年の2007年と同一とは断定しない。

東名の東側に、白く曲がる道路の形が現れました。その近くでは、川に沿う帯状の土地でも工事が進んでいるように見えます。既存の東名を横切る線を足すだけでなく、そこへ曲がり込むための道路を周囲に配置しているのが分かります。

圏央道の海老名JCT〜海老名IC間が開通したのは2010年2月27日です。2007年度の写真は、その前の建設段階を写しています。まずこの区間が東名と結ばれ、2013年3月30日には海老名IC〜相模原愛川IC間も開通しました。[2]

最初の接続だけで、南北の経路がすべて完成したわけではありません。東名の上にできた結び目から、圏央道の行き先が順番に伸びていきます。

豆知識 川辺の植物を、表土ごと戻すNEXCO中日本は、海老名JCT〜海老名ICの橋梁工事で、河川区域の植物を保全したと説明しています。工事の影響を受ける場所の表土を取り置き、完成後に戻す方法です。土に含まれる根や種子も一緒に残す工夫は、上空から見える橋の形だけでは気づきにくい仕事です。[3]

2015年度
視点を南へ移すと、次の接続点が見える

海老名JCTの南側で圏央道と周辺の工事用地が見える2015年度の航空写真
国土地理院「2015年度撮影の空中写真」。この一枚は海老名JCTの南側、海老名南JCT付近を掲載。

ここだけ、写真の範囲を南へ移します。川に沿う道路の脇に、明るい工事用地が広がっています。先ほどの東名との交差地点ではなく、後に新東名がつながる海老名南JCTの周辺です。似た名前の施設を同じ場所として見てしまわないための比較です。

2015年3月8日には、圏央道の寒川北IC〜海老名JCT間が開通しました。これによって海老名JCTから南へ進む経路がつながります。その後、新東名の海老名南JCT〜厚木南IC間が2018年1月28日に開通しました。[4][5]

川沿いの道路は、東名につながる役目に加えて、別の高速道路へ進む経路にもなりました。一つのJCTの成長を見るには、隣の分岐まで目を向ける必要があります。

現在につながる姿
川を渡る道と、川沿いの道が交わる

相模川橋の東側で東名高速と圏央道が接続する完成後の海老名JCT
国土地理院「全国最新写真」の保存画像。海老名JCTへ視点を戻す。個別撮影年は未特定。

最後は海老名JCTに戻ります。東名が相模川を横断する位置は、1970年代の写真と重なります。そこへ南北方向の道路と曲線の接続路が加わり、橋の東側にまとまった道路の結び目ができています。

周りを見ると、古い写真の農地の区画が残る場所と、大きな建物が増えた場所の両方があります。高速道路の線だけを見比べるより、川、農地、建物を一緒に追う方が、JCTがどのような土地に収まったかをつかめます。

最初に現れたのは川を渡る東名でした。その後、川沿いに圏央道が伸び、さらに南で新東名へつながった。海老名周辺の道路網は、異なる時期に造られた線を結び足すことで、現在の形に近づいてきました。

場所
神奈川県海老名市・相模川東岸
交わる道路
東名高速道路/首都圏中央連絡自動車道(圏央道)
圏央道との接続
2010年2月27日 海老名JCT〜海老名IC開通
南への延伸
2015年3月8日 寒川北IC〜海老名JCT開通

この場所から、車でどこまで行ける?

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